こんにちは。
経営者及び経営幹部専門の経営アドバイザー・コーチ
岡野宏量です。
ここのところデモが落ち着いたようですが、米国では、依然としてジョージ・フロイドさんの
事件に端を発する、人種差別に関する報道が絶えません。
多くの人がデモやSNSの発信によって人種差別の廃止を訴える一方で、白人至上主義の思想を
持った人が少なからず存在することも事実でしょう。
一体、いつになったら米国での人種差別問題は無くなるのか?
一つ言えることは、「すぐに」とか「急に」その問題が無くなることはないということです。
それなりに時間がかかるということです。
具体的には、世代交代に伴う程の時間がかかります。
話を変えますが、パラダイムシフトという言葉があります。
Wikipediaによると、以下のような定義です。
「その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、
社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することをいう。」
わかりやすいのが、天動説が地動説に取って代わられらた変化です。
16世紀以降、それまで誰もが信じて疑わなかった天動説が、地動説に置き換えられるという大きな
変革がありました。
天動説から地動説へのパラダイムシフトは、16世紀半ばにコペルニクスが地動説を提唱した
ことに始まり、その後、17世紀に入りケプラーやガリレイなどが根拠付けを行なうことで、
少なくとも100年の長い時間をかけて進みました。
この例からもわかるように、パラダイムシフトは瞬時に起きるものではなく、世代交代によって
長い時間をかけて起こるというのがわかります。
ここでいう世代交代とは、頑なに天動説を信じていた人たちがある日を境に地動説を信じ始める
というのではなく、元々地動説を信じていた人たちが主流になるという意味です。
さて、話は米国の人種差別問題に戻りますが、つまり、アメリカでも人種差別が無くなるには、
残念ながらそれなりの時間がかかるということです。
アメリカの歴史を見ると、奴隷解放を争点とした南北戦争が1881年に始まり、
その後、キング牧師が象徴となった人種差別を訴える公民権運動が1950〜1960年代に
起こります。
奴隷解放を訴えた南北戦争からは、既に約140年が経過しましたが、
まだまだ人種差別は根強く残っています。
なかなか人種差別が無くならないからといって、そのための行動を起こさないというのとは
違います。
最終的にパラダイムシフトが起こるまでには、世代交代を伴う、何十年、あるいは
数百年もの時間がかかるかもしれませんが、今できることを行動を採ることは必要です。
その一つ一つの行動の積み重ねが、やがては大きな変化を生むからです。
諦めずに行動を続けることが大切ですね。
世代交代を終え、いち早く人種差別のない時代が来ることを望んでいます。